映画『ハーモニー』感想

ハーモニー

『ハーモニー』
監督 :なかむらたかし マイケル・アリアス
原作 :伊藤計劃 
脚本 :山本幸治

たまたま見たTVCMが面白そうだったので「ハーモニー」を
観てきました。
事前情報はCMのみ、原作も未読。

この作品について一応簡単に説明しますと
2009年に34歳で亡くなられた小説家 伊藤計劃の長編3作品を
アニメ化するという企画「PROJECT-ITOH」の中の一本です。
今回の原作「ハーモニー」は作者の死後に第30回日本SF大賞を受賞
また海外ではフィリップ・K・ディック記念賞の特別賞を受賞しています。

鑑賞後の率直な感想は
つまらなくはない。
が、褒めるべきところも見つからない。

という感じ。
ジャンルとしては終末系といった所でしょうか。
CMを見た感じではもっとサスペンス・アクション的な
ものかと思っていたのですがそういう部分はあまり無くて
どちらかというと哲学的な話だったように思います。
テーマ的には結構興味を惹かれる部分もあり
原作は多分面白いんだろうなとか思いましたが
アニメーション作品としてはあまり上手く行ってるようには
感じませんでした。
具体的には世界観の描写・説得力の不足、登場人物の魅力不足
やや冗長なテンポなど。
観客に想像することを委ねる描写が多いので自分のようなおっさんよりも
脳の活動が活発な若い世代のほうが楽しめるんじゃないかなと思いました。

以下ネタバレ含む感想















基本的にはディストピアSFなんだろうけどその管理社会があまり悪いものに
見えないというのが一番ネックかなぁ。
ただ誰もが悪いと思える社会描写よりは
なんとなく良くない気もするけど安定してるしこれで良いんじゃないかという感覚は
現実社会的でリアルという感じもします。(アニメ的な説得力は別にして)
しかしそのせいでトァン(主人公)がどういう価値観で行動しているのか
またミァハがやったことが人類に対する救済、より高度な存在へシフトするための
道標なのかそれともハーメルンの笛吹きのような破滅へと導くものなのか
解りにくい。

ここらへんは原作を先に読むかどうかでも変わってくると思いますが
とりあえずアニメのみを一回見ただけでは理解しにくかったです。
また舞台が世界規模なのも却って薄っぺらく感じてしまう原因かもしれません。
日本国内ぐらいに限定していたほうが良かったかも。
物語の結末後の世界が全く想像できないという点では
旧劇エヴァに近いものがありますがあれほどインパクトがあるシーンも無く
全体的に薄味の印象が強い。
まだ原作を読んでないので断言はできませんがアニメーション化にあたって
もう少し思い切った取捨選択が必要だったんじゃないかという気がします。
突っ込みどころが多いものの作品の雰囲気とかテーマは
決して悪くないので一見(もしくは一読)の価値あると思います。

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映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/06 12:27
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