映画『WALL・E/ウォーリー』感想

そもそもなんで今更ブログなんてものを立ち上げたのか。
日記を付ければ三日も持たないこの自分がブログをやるなんて考えもしなかった。
ましてや他人に日記を見せる趣味も文才も無い。
そんな自分がブログを始めた理由。
それは「WALL・E」という作品に出会ったから。
自分がここまで惚れた作品は映画・小説・アニメ・漫画すべて見渡してみても無い。
いやもちろんもっと良い作品もある。
しかし劇場に14回も足を運ばせたのはこの作品だけなのである。
(過去の最高記録は「エイリアン2」の2回)
それぐらい惚れこんだ。
当然、他人の意見も読みたくなって様々な感想が書かれたブログを読み漁った。
そうしているうちに自分もそういう感想を書きたくなったのである。
それがこのブログを始めた理由だ。

ならば最初にこの感想を書くべきなんだろうがあまりに他人の感想を読みすぎたので
今更書くことが無くなってしまった。
またあまりに好き過ぎて言葉にすると非常に陳腐なものになってしまいそうで怖かったのだ。

今回DVD・BD発売となって落ち着いてきたのでそれらを改めて見ながら感想を書こうと思う。
以下ダラダラと感想
※ネタバレを含む恐れがありますので注意













冒頭シーン
宇宙からデブリだらけの地球を突き抜けて地表までのアップ
そこからタイトルまでの流れが素晴らしい。
観客はタイトルが出たところではじめてその場所があのロボットが積み上げた塔の頂上だと
わかる演出。それと共にBGMもミュージカルナンバーから重い悲しげなものに切り替わる。
もうこの時点でこの映画がただものじゃないと思わせる。
カメラワークも素晴らしくどのカットを切り取っても一枚のイラストになりそうな
完成度だ。
過去のフルCG作品の場合「このシーンはどうやって作っているのか」という事に興味を奪われていたが
この作品は絵作りというかその構図のうまさに心奪われる。
もはやCGアニメではなく実写映画と変わらないレベルと言える。
淡々と描かれる彼の日常は台詞がまったく無いにもかかわらず
絶妙なテンポと非常に人間臭い演技で飽きさせられない。
仕事を終えて自宅に帰った彼は誰もいない部屋の明かりをつける。
部屋は彼にしか価値の無いガラクタが並びコレクションの整備に余念が無い。
お気に入りのビデオを流しペットに餌をやり
星空を眺めて誰かが待つ世界を夢見て
孤独な眠りにつく。
まるで「さえない独身男性の生活」そのまんまだ。
自分の場合、もうここらへんで泣きそうになってるのである。
あまりに彼の孤独がわかりすぎて・・・

そんな感じで思いっきりウォーリーに感情移入してる状態でイヴが登場するわけである。
それはもうまるで
天使か女神にしか見えない
シンプルなタマゴみたいなデザインなのに・・・
監督の思惑に嵌りまくりである。
また腕が銃に変形するあたりとかは彼女のキャラクターを非常に際立たせている。
強いヒロイン像はアメリカ映画の伝統だが彼女は究極的な強さと美しさを兼ね備える
素晴らしいヒロインと言えよう。

この映画は大きく二つのパートに分かれている。
前半の「地球編」と後半の「アクシオム編」だ。
特に前半の出来は素晴らしく、文句を付ける評論が見当たらないほどだ。
言葉がほとんど無いにも関わらず完璧にストーリーを伝えている。
演技・テンポ・各シーンの構図・音楽などどれをとっても完璧とも言える
出来栄えだ。観客はただ彼らの行動を眺めているだけでなんだか幸せな気分になれる。
HAL(ゴキ)の存在もいい。人間で言えばペットの子犬といった感じか。
前半で良い所をあげていくとそれこそ全カット解説になってしまうので割愛する。
一番のお気に入りは泡だて器のシーンかなw

後半はやや意見が分かれる部分もあるが自分は大変気に入っている。
前半はウォーリー視点で話が進むが後半はイヴ視点という感じになっている。
人間や他のロボット達も登場してかなり賑やかだ。
感心したのはあまりドタバタシーンの連続にならなかった所。今までのPIXAR作品なら
もうちょっとそういうシーンが長めでちょっと飽きるぐらいやるのだが
今作品では非常に短く切っている。そのせいでテンポも崩れず流れるように話が進んでいく。
宇宙ダンスのシーンは劇場鑑賞前に予告でチラッと見ていたのだが
ここは冒険活劇的な危機一髪なシーンかなと思っていた。
それがこんなロマンチックなシーンだったとは・・・思わずやられた~!って感じである。
そして監視カメラでイブが知るシーン
正直泣いた。
自分はあまり恋愛映画というものが好きではない。
というのはなんというか自分自身がそういうものに疎い部分があるからだ。
だから見ていても「いつの間にか二人が出来ちゃってました」みたいな感じなのだ。
このシーンは愛が生まれる瞬間 好意(Like)から愛情(Love)に変化する所を見事に描写している。
そこにものすごく胸を打たれた感じだ。
言葉を持たないロボットだからこそベタにならずに描けたんだと思う。
そしてここで描かれる愛はまさに「無償の愛」だ。

人間の男女の場合ここまで純度の高い恋愛を描く事は難しい。
それを愛を知らないロボットで描く、いやロボットだからこそ描けたのだという事が
衝撃というか目から鱗だった。
なんというかものすごい美しいものを見させられたって感じで涙が溢れるのである。

そしてラストシーンの演出もまた素晴らしい。
ラストのアレはなんか納得いかないと言う方もおられるが
自分の解釈はこうだ。

ウォーリーは「どこかが壊れた事により感情が生まれた」ロボットだ。
だからイヴが「完璧」に修理してもそれは新品のWALL・Eになるだけでウォーリーには戻らない。
アクシオムの修理室を使っても同じ結果だ。
だからラストのキス(スパーク)でどこかを壊す必要があった。
そしてああいう行動(キス)をするのはイヴだけなのだ。
他のロボットや人間では思いつかない行動だ。
彼女だけがウォーリーを元に戻すことができたのだ。

監督の解説を聞くとそこまでは考えてないような感じだが
(深読みしすぎと言われそう)
自分の中ではこれが一番しっくりくる。

そして美しいエンドロールで数十年後に育った木を見上げる二人を見て
本当に良かったなと涙するのだ。

この作品は久しぶりに映画って本当に良いものだと教えてくれた。
おかげで今では積極的に劇場で観る様にしている。
PIXARにはいくら感謝の言葉を述べても足りないぐらいだ。
これを作ってくれて本当にありがとう。

評価:☆☆☆☆☆+α

ウォーリー@映画生活

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映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2009/04/27 00:16
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